新潟市中央区で開業21年目にして最先端の整体技術。カラダ作り・カラダ使い・姿勢の達人の店。 症例(治療例),脚の痛み,膝の痛み 【膝裏の謎を解く】「膝窩部痛」はなぜ治らないのか?整体師が語る、深奥に潜む“7つの真犯人”

【膝裏の謎を解く】「膝窩部痛」はなぜ治らないのか?整体師が語る、深奥に潜む“7つの真犯人”

皆さん、こんにちは。新潟市で21年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。

「ここが痛いんです」と指をさされても、その場所が「膝の裏」となると、私たち施術者の頭の中には、瞬時に7つ以上の可能性が浮かび上がります。膝の裏、つまり膝窩部(しつかぶ)は、人体の解剖学において、まるで謎を秘めた交差点のような場所です。

「鈍痛が続く」「ストレッチしても取れない」「階段の下りでズキッとくる」—この曖昧な痛みの訴えに、安易な答えはありません。

もしあなたが長引く膝裏の痛みに悩んでいるなら、それは表面的な筋肉の張りではなく、組織の微細な「滑走不全」や「挟み込み(インピンジメント)」が原因かもしれません。今日は、この治りにくい膝窩部痛の深奥に潜む組織の複雑さと、評価の重要性についてお話しします。


1. 膝の裏に潜む「7つの容疑者」の正体

膝裏の痛みは、一つの問題に固執していては解決できません。私たちは、以下の7つの組織が、いかに複雑に絡み合って痛みを引き起こしているかを理解する必要があります。

① 深層の駆動輪:膝窩筋(しつかきん)由来の痛み

膝窩筋は、膝関節のロックを解除し、屈曲の初動を担う、深層の小さな駆動輪のような筋肉です。

ヒラメ筋や脛骨神経の近くを走り、膝の裏、特に「少し下」に痛みを訴える方の原因となりがちです。立ち上がりや階段の下りといった、膝を伸ばした瞬間にズキッと痛みを出す場合は、この膝窩筋の機能不全を疑います。小さな筋肉ですが、その影響力は甚大です。

② 静かなるクッション材:膝窩の脂肪体

膝の裏にも、名称こそ付いていないものの、神経や血管を優しく守る「脂肪体」というクッション材が存在します。

この脂肪体が、周囲の組織と癒着し、滑りが悪くなると、膝裏の中央あたりに「ストレッチしても取れない鈍い痛み」を引き起こします。脂肪体は炎症を起こしやすい組織でもあり、膝を曲げ伸ばしするたびに挟み込まれて(インピンジメント)痛みを出し続けます。

③ 動きを司るトラブルメーカー:半膜様筋(はんまくようきん)

半膜様筋は、ハムストリングスの一部でありながら、膝裏のトラブルメーカーでもあります。

この筋の停止部はいくつにも分かれ、内側半月板、外側半月板、斜膝窩靭帯といった重要な組織へとつながっています。そのため、この筋肉に癒着があると、伸展時に突っ張り、滑りが悪いと屈曲時に挟み込まれるなど、動きのどちらのフェーズでも膝窩部痛を引き起こす複雑な原因となります。

④ 関節のパッキン:内外側半月板

膝関節のクッションであり、安定板である半月板も、その後節が挟み込まれることで膝裏に違和感や痛みを出すことがあります。

  • 内側半月板は半膜様筋と、外側半月板は膝窩筋と連結しています。
  • この連結部分の癒着や滑走不全が痛みの原因となるため、膝窩の「左右どちらに出ているか」が判断の大きなヒントになります。

⑤ 表面の連動と深部の炎症:腓腹筋(ひふくきん)

ふくらはぎの表面にある腓腹筋は、ハムストリングスと線維的に連結しており、その滑走障害が膝裏に痛みを引き起こします。さらに、腓腹筋の深層には滑液包があり、摩擦ストレスが重なると炎症を起こし、「運動後だけ痛い」「押すと奥がズンとする」ような鈍い痛みを出すことがあります。

⑥ 最終的な防衛線:後外側支持機構

見落とされがちなのが、外側側副靭帯や弓状膝窩靭帯などが含まれる後外側支持機構(Posterolateral Corner: PLC)です。

この部分は、脛骨が後方に移動したり(サギング)、外旋したりすることで伸張ストレスを受けやすいんです。特に、変形性膝関節症(膝OA)などでサギングを伴う患者さんに膝裏の痛みがあるとき、この靭帯の伸張ストレスも必ず頭の片隅に置いておく必要があります。

⑦ 痛みの大動脈:坐骨・脛骨・腓骨神経

「どこが痛いのかわからない…膝裏からふくらはぎにかけてボヤっとした広範な痛みがある」

そんな訴えは、神経由来の痛みの可能性が高いです。坐骨神経から分岐した脛骨神経腓骨神経が、筋肉の滑走不全や圧迫によって放散痛のような膝窩部痛を引き起こすことがあります。この痛みは、単なるマッサージでは解決しません。神経の滑走(神経モビライゼーション)を促す緻密なアプローチが必要です。


2. 整体師の技術が問われる「解剖学の深奥」

このように、膝裏の痛み一つとっても、原因は単なる筋肉の張りや硬さというレベルを超越しています。脂肪体の滑り、半月板との連携、靭帯の伸張、そして神経の圧迫。これらの複雑な要素が重層的に絡み合っているのです。

一般的なリラクゼーションや、表面的なマッサージでは、これらの組織の微細な状態や滑走不全を見極めることはできません。むしろ、誤った強い刺激は、神経や脂肪体をさらに押し込み、痛みを長引かせるリスクさえあります。

私たちボディケアグリーンズは、この「解剖学の深奥」まで手を入れ、あなたの膝裏の痛みの真犯人を特定します。そして、単なる「筋肉を揉む」ではない、組織一つ一つに合わせた緻密な手技で、痛みの根本からの解放を目指します。

長引く膝裏の痛みは、あなたの体が送る「姿勢と動作のSOS」です。この機会に、その声に真剣に向き合ってみませんか。

ご予約・お問い合わせはこちらからどうぞ。 [電話025-225-8180]

整体師 森田 ボディケアグリーンズ 代表

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