尺骨のねじれによる肘の痛み
尺骨は、前腕の小指側にある骨です。この尺骨がねじれることで、肘関節の動きに制限が生じ、痛みや違和感につながることがあります。
尺骨のねじれは、先天的なものと後天的なものがあります。
- 先天的な尺骨のねじれ:生まれつき尺骨がねじれているケース。
- 後天的な尺骨のねじれ:
- スポーツ:野球やテニスなど、肘に負担のかかるスポーツを長年続けることで、尺骨がねじれてしまうことがあります。 特に、成長期の子供は骨が未発達なため、注意が必要です。
- 外傷:転倒や衝突など、肘に強い衝撃が加わることで、尺骨がねじれることがあります。
- 日常生活での癖:肘を頻繁に捻るような動作を繰り返すことで、尺骨がねじれることがあります。
前腕の筋肉のアンバランスによる肘の痛み
前腕には、親指側(橈骨側)と小指側(尺骨側)に様々な筋肉があり、これらが協調して働くことで、手首や指の複雑な動きを可能にしています。 しかし、これらの筋肉の間にテンションの差が生じると、肘関節に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
前腕の筋肉のアンバランスには、以下の3つのケースが考えられます。
- 橈骨側と尺骨側の筋肉のアンバランス: 親指側の筋肉と小指側の筋肉の強さや柔軟性に違いがあるケース。例えば、テニスでは、フォアハンドで橈骨側の筋肉が、バックハンドで尺骨側の筋肉がそれぞれ強く働きます。そのため、どちらか一方の練習ばかり行っていると、筋肉のアンバランスが生じやすくなります。
- 円回内筋と回外筋のアンバランス: 前腕には、手のひらを上に向ける筋肉(回外筋)と下に向ける筋肉(円回内筋)があります。これらの筋肉のバランスが崩れると、尺骨がねじれたり、肘関節に負担がかかったりすることがあります。
- 近位と遠位の筋肉のアンバランス: 同じ橈骨側、尺骨側でも、肘に近い筋肉(近位)と指に近い筋肉(遠位)の間にテンションの差があるケース。例えば、野球の投球動作では、肘に近い筋肉が強く収縮するため、遠位の筋肉とのバランスが崩れやすくなります。
完璧に合わせた調整とは
尺骨のねじれや前腕の筋肉のアンバランスによる肘の痛みを改善するためには、原因を正確に見極め、個々の状態に合わせた調整を行うことが重要です。
- 尺骨のねじれ:
- 軽度のねじれ:ストレッチやマッサージ、テーピングなどで改善を図ります。
- 重度のねじれ:手術が必要となる場合もあります。
- 前腕の筋肉のアンバランス:
- 弱い筋肉の強化:ダンベルやチューブを使った筋力トレーニングなどを行います。
- 硬い筋肉のストレッチ:ストレッチやマッサージなどを行い、筋肉の柔軟性を高めます。
- 拮抗筋のバランス調整:それぞれの筋肉のバランスを整えるようなトレーニングを行います。
- フォームの改善:スポーツ動作におけるフォームを見直し、肘への負担を軽減します。
- 日常生活での注意点: 肘に負担をかける動作を避け、適切な休息をとるようにします。
専門家への相談
肘の痛みは、放置すると慢性化したり、重症化したりする可能性があります。もし、肘の痛みがある場合は、自己判断で対処するのではなく、整形外科医や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家は、原因を正確に診断し、個々の状態に合わせた適切な治療法やリハビリテーションプログラムを提供してくれます。
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