新潟市中央区で開業22年目にして常に最先端の整体技術。カラダ作り・カラダ使い・姿勢の達人の店。 股関節,脚の痛み,腰痛,臀部の痛み,骨盤 【変形性股関節症の予防】整体師が語る、「臼蓋のかぶり」を深くするアライメント戦略

【変形性股関節症の予防】整体師が語る、「臼蓋のかぶり」を深くするアライメント戦略

皆さん、こんにちは。新潟市で22年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。

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変形性股関節症は、一度進行すると元の状態に戻すことが難しい慢性的な疾患ですが、その進行を遅らせ、痛みをコントロールすることは可能です。

この疾患の進行予防において、最も重要な概念の一つが「臼蓋(きゅうがい)による大腿骨頭の被覆率(かぶり)を高めること」です。

変形性股関節症の多くは、骨盤の受け皿である臼蓋が生まれつき浅い「臼蓋形成不全症」などが背景にあります。被りが浅いと、体重負荷が骨頭の一部に集中し、骨の変形が進行してしまいます。

今日は、この進行を防ぐために、私たちの体が取るべき「アライメント戦略」について、詳しく掘り下げてお話ししたいと思います。


1. 進行予防の鍵:「かぶり」を深くする3つのアライメント

変形性股関節症の進行を予防するアプローチは、「雨漏りを防ぐ屋根」に例えられます。臼蓋(屋根)の形は変えられなくても、体全体を操作して大腿骨頭(家)を屋根の下に深く潜り込ませる(被覆率を高める)ことが目標です。

臨床運動学的に、被覆率を高めるために有利なアライメントとして、以下の3つが挙げられます。

🔑 アライメント①:骨盤の前傾(ぜんけい)

  • 影響: 骨盤は、後傾すると被りが浅くなり、前傾すると被りが深くなります。
  • 注意点: 臼蓋形成不全の方は、無意識のうちに代償として骨盤を前傾させていることが多いです。この前傾は被覆率を保つための「自己防衛」であるため、安易に「悪い姿勢」として治してしまうと、かえって変形が進行するリスクがあります。ただし、過度な前傾が腰痛の原因になっている場合は、そのバランス調整が必要です。

🔑 アライメント②:股関節の外転(がいてん)

  • 影響: 足を閉じる内転位よりも、足を開く外転位の方が被りが深くなります。
  • 対策: 多くの患者様は、股関節の外転の可動域が制限されています。可動域を確保した上で、中殿筋などの外転筋群を鍛え、外転位で安定して体重を支えられるようにすることが重要になります。

🔑 アライメント③:股関節の内旋(ないせん)

  • 影響: 足を外に捻る外旋位よりも、内に捻る内旋位の方が被りが深くなります。
  • 対策: 多くの患者様は外旋位で固まっており、内旋の可動域が失われています。内旋の可動域をチェックし、確保する必要があります。特に股関節を伸展(後ろに伸ばす)させる動作では、内旋可動域を出した上で行うことで、骨頭がしっかりはまった状態で動かすことができます。

まとめると、進行予防には「骨盤前傾・股関節外転・股関節内旋」の複合的なアライメントが有利に働くことになります。


2. 痛みへの対処法:痛む場所で原因を評価する

進行予防のアライメントを追求する一方で、無理な体勢でいると柱(筋肉や腰)に無理が生じて「痛み」が出ます。痛む場所を評価することで、その原因となっているアライメントの異常を突き止めます。

A. 歩行時の痛み:鼠径部(前)か、お尻(後ろ)か

痛む場所主な原因(軟部組織)アライメント関係対処の方向性
前側(鼠径部)大腿直筋(太もも前)の過緊張、スパズム(攣縮)骨盤が後傾していると、骨頭が大腿直筋に寄りかかりやすい。骨盤を前傾させる機能と、大腿直筋のリリース。
後ろ側(お尻)腰椎の過伸展(反りすぎ)による椎間関節痛、梨状筋の痛み骨盤が前傾過多になっていることが多い。腰椎の過伸展を抑え、梨状筋の評価と調整。

B. 足を曲げた時の痛み(屈曲時痛):インピンジメントの判別

車への乗り降りや階段などで足を曲げた時の痛みは、「インピンジメント(挟み込み)」が起きていないかを判別します。

  • 前方インピンジメントのサイン:「股関節屈曲・内転・内旋」の動きで痛むが、「屈曲・外転・外旋」の軌道で曲げると痛くない場合、インピンジメントが原因です。
  • 対処法: 股関節を外転・外旋させながら曲げる可動域訓練や動作指導を行います。軟部組織(大腿直筋など)由来の痛みであれば、この軌道を変えても痛みは変化しないため、前方組織のマッサージやストレッチが有効となります。

3. 整体師森田からのメッセージ

変形性股関節症の進行予防は、単なる筋力トレーニングやストレッチではなく、股関節の「被覆率」を最大限に高めるための戦略的なアライメント調整に集約されます。

私たちは、お客様の股関節の状態を緻密に評価し、「屋根の下に骨頭を潜り込ませる工夫」を行いながら、同時に腰や大腿直筋といった柱に無理が生じていないかをバランスよく見ていきます。

進行予防と痛みのコントロールは、「その方に合った最適な姿勢(ニュートラル)」を見つけ出すことから始まります。もしあなたが股関節の変形や痛みにお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせはこちらからどうぞ。

[電話025-225-8180]

整体師 森田

ボディケアグリーンズ 代表

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