皆さん、こんにちは。新潟市で22年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。
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「骨盤の歪み」は、腰痛や股関節痛、さらには美容や代謝の低下に繋がるとして、多くの方が気にされています。骨盤矯正という言葉は一般に広く知れ渡っていますが、その実態は、多くの人が想像するよりも遥かに複雑で奥深いものです。
私自身、この仕事を始めたばかりの頃は、「右が前傾、左が後傾」といった見た目の左右差に囚われるというミスを犯していました。しかし、25年以上の臨床経験を経て、私はその考え方を根本から改めました。
結論から申し上げましょう。骨盤矯正は、言葉でいうほど単純な話ではありません。真に骨盤を整え、不調を解決するには、「傾き」という表面的な結果ではなく、その奥にある「連動性」と「機能性」にこそ目を向ける必要があります。
今日は、なぜ一般的な骨盤矯正が根本解決に至らないのか、そして私たちが追求する骨盤の「機能哲学」について深く掘り下げてお話ししたいと思います。
1. 骨盤の評価は「写真」ではなく「動き」で決まる
かつての私がそうであったように、多くの施術者は骨盤を「静止した状態」で評価しようとします。お客様の姿勢写真を撮り、「骨盤が右に傾いている」「左が前に出ている」といった見た目の情報を頼りにします。
しかし、私が今、最も重視するのは、骨盤の「傾き」という結果ではありません。
- 股関節がどう動き、それに対して骨盤がどう動いているのか?
- 連動しているのか、それとも連動していないのか?
この「動きの中での連動性」こそが、骨盤の真の状態、つまり「機能不全の有無」を教えてくれます。
骨盤は、股関節の動きに合わせて柔軟に動くことで、その上の背骨や、下肢からの衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。この連動が失われたとき、体幹の安定性が崩壊し、腰や股関節に過剰な負担がかかるのです。
2. 「傾き」を生む、深すぎる5つの原因
骨盤の「傾き」や「左右差」という見た目の問題は、多くの場合、体幹の別の部位や深層筋の機能不全から「引っ張られた結果」に過ぎません。
連動していないとしたら、その原因はなんなのか。整体師として考えるべき複雑な要因は多岐にわたります。
① 腰背部筋群のタイトネス(物理的なロック)
最も分かりやすい原因の一つが、脊柱起立筋などの腰背部筋群の過度な緊張(タイトネス)です。これらの筋肉がガチガチに固まることで、骨盤の動きが物理的にロックされ、股関節の動きに合わせて柔軟に動くことができなくなります。
② 呼吸の破綻と「リブフレア」
骨盤の安定性と、呼吸による腹圧(体幹の安定)は密接に連動しています。
- 下位肋骨の浮き上がり(リブフレア)がある場合、胸郭が常に開いた状態となり、腹圧がうまくかかりません。
- 腹圧が安定しないことで、体幹の安定性を保とうと、仙骨に対して寛骨(かんこつ)の後傾がブロックされてしまうなど、骨盤の微細な動きが制限されます。
③ 骨盤底や腹部の機能不全
吸気時の下方圧が作れず、骨盤底筋や腹筋群といった体幹のインナーユニットが連動しない状態も深刻です。
腹圧のコントロールができないと、骨盤が不安定になり、「開き」が出にくくなったり、仙腸関節の動きがロックされたりします。
④ 股関節周囲の異常な緊張
股関節の屈筋群や外旋筋群の慢性的な緊張(例:腸腰筋や大腿筋膜張筋など)が、骨盤を特定の方向に引っ張り続け、歪みを固定しているケースも非常に多いです。
⑤ 神経系の問題
稀に、坐骨神経やその他の末梢神経の滑走不全が、特定の筋肉の緊張を引き起こし、それが骨盤の左右差を助長している場合もあります。
3. 「骨盤矯正」という名の「動きの調律」
「骨盤矯正」という言葉の真の意味は、「機能の調律」です。
私が施術で追求するのは、見た目の左右差を合わせることではなく、上記のような複雑に絡み合った問題を一つ一つ丁寧に紐解き、骨盤が股関節や体幹、そして呼吸と調和して動けるようにすることです。
🔑 追求するゴールは「動きの調和」
骨盤矯正の究極のゴールは、股関節の動きに合わせて、骨盤が柔軟に、協調的に動けるようにすることです。
この複雑な連鎖を一つ一つ紐解き、微細な機能不全を取り除くことこそが、慢性的な腰痛や股関節痛を根本から解決する鍵です。
私たちは、この骨盤という体の中心軸を、単なる静的な骨の集合体としてではなく、ダイナミックに動く「生命の軸」として捉えています。
もしあなたが、長引く腰痛や股関節痛に悩んでいるなら、それはあなたの体が「見た目だけの矯正」ではなく、「機能の回復」を求めているサインかもしれません。
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整体師 森田 ボディケアグリーンズ 代表