皆さん、こんにちは。新潟市で21年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。
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私の整体師としてのキャリアは多くの方がイメージする「バキバキ整体」、すなわちスラスト法から始まりました。その瞬間的な変化とインパクトは強烈で、その技術を深く追求しました。
しかし、私はその技術から静かに距離を置きました。その選択について、「経営効率を捨ててでも、仕上がりの美しさにこだわる」という結論に至った理由を語りたいと思います。
1. 経営者が理解する「バキバキ」の功利的な合理性
まず、スラスト法が商業的に成功しやすい理由を、率直に分析します。これは、私が知る「ビジネス」としての整体の側面です。
① 時間効率と回転率という「時の利」
スラスト法は、施術が瞬間的に終わります。施術時間が短縮されるということは、飲食店でいう「回転数」が上がり、一日に対応できる顧客数が増えるため、売上に直結します。施術料が同じであれば、これは経営上の最大のメリットであり、利益を最大化するための「時の利」となります。
② 技術を問わない「力の代償」
二つ目は、施術者の能力に依存しにくいという点です。力の弱い治療家でも、一瞬で全体重を関節にかけることで、容易に「強い力」を発揮できます。これは、技術の習得難易度を下げる一方で、施術者の「繊細な触診能力」や「緻密な操作技術」を磨く必要性を低下させてしまうという負の側面も持っています。
③ 強い刺激と動画映えの「集客力」
お客様の中には、長引く痛みに対し、それを打ち消すような強い刺激を求める方が多くいます。また、「バキッ」という音は、SNS時代において視覚・聴覚的なインパクトがあり、集客に直結するツールです。
これらは、紛れもなく現代社会における「商業的合理性」であり、経営者としての葛藤を生む側面です。
2. 経営効率を捨てた理由:「仕上がりの美しさ」への執念
私が、これらの商業的合理性を犠牲にしてまで、スラスト法を否定する理由はただ一つ。それは、「仕上がりの美しさ」への執念です。
私が追求する整体のゴールは、「不調が取れること」で満足することではありません。その先の、「力みがなく、全ての組織がニュートラルな状態にある、美しく機能的な体」をお客様に提供することです。
瞬間的な力では届かない「深層の真実」
私たちの体の不調の根源は、表層の筋肉の硬さだけでなく、深部の筋筋膜の癒着、靭帯の微細なねじれ、そして関節を支えるインナーマッスルの機能不全にあります。
- インナーマッスルの機能不全: 首の骨の安定に不可欠な頸長筋(けいちょうきん)のような深部のインナーマッスルは、瞬間的な力ではコントロールできません。
- 筋筋膜の癒着: 筋肉と筋肉の間にできた細かい癒着は、熟練の職人が糸を解くように、繊細なタッチで、層を分離させていく必要があります。瞬間的な強い圧は、周囲の筋肉を防御的に緊張させ、癒着を固定化させてしまうリスクさえあります。
25年の臨床が暴いた「バキバキ後の体」の現実
私は、スラスト法を受けた後のお客様を数千人と診てきました。その臨床結果が示すのは、ほとんど全てのお客様に何かしらの筋肉の異常が残っていたという事実です。これは、私の目から見ると、「仕上がりが不完全」であることを意味します。
バキバキによる矯正は、「外見だけ整えた」張りぼてのような状態です。見た目のアライメントは整っても、体が持つ本来の安定性や調和を伴っていません。これでは、すぐにまた元の不調に戻ってしまうか、別の箇所に痛みが転移してしまうリスクが高いのです。
3. 「効率」を凌駕する「精度」の追求
私が現在追求し、提供しているのは、この「仕上がりの美しさ」を極限まで高めるための、緻密な「調律」です。
これは、体全体を一つの精密機械のように捉え、部品(組織)の微細なズレを特定し、その部品だけを、最も適切な力と角度で整える作業です。
- 触診の極限: AIや画像診断では見えない、深部の組織の硬さ、滑走不全、そして「力の流れ」を、25年間で培った指先の感覚で正確に読み取ります。
- 技術の集積: 「押す・揉む」という単純な技術を超え、筋膜の層を分離させる、伸びた筋肉を適切に縮める、凹んだ関節を周囲の組織から解放して引き戻すなど、多岐にわたる専門的な技術を駆使します。
私の整体のゴールは、お客様が施術室を出た後も、その「ニュートラルで美しい状態」を長期間維持できることです。それは、経営効率を求め、施術時間を短縮する技術では、決して達成できない領域です。
私は、これからも商業的な流行に流されることなく、お客様の体と真摯に向き合います。
あなたの求める整体は、一時的な「強い刺激」ですか? それとも、永続的な「機能の調和」ですか?
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整体師 森田 ボディケアグリーンズ 代表