恐怖やストレスを感じると、身体は交感神経優位の状態になり、いわゆる「闘争・逃走反応」と呼ばれる反応が起こります。これは、危険な状況に遭遇した際に、身体を素早く反応させるための生存本能的なメカニズムです。
交感神経が優位になると、心拍数や呼吸数が上がり、筋肉が緊張します。この筋肉の緊張は、肩甲骨周囲の筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋など)や胸の筋肉(大胸筋、小胸筋など)にも及びます。
これらの筋肉が緊張すると、肩甲骨が外側に引っ張られ、前方へ回転するような動きが起こります。これが、巻肩の姿勢です。
恐怖やストレスを感じたときに、肩が内側に入り込むような姿勢になるのは、この筋肉の緊張によるものと考えられます。
また、巻肩になると、胸郭(肋骨と胸骨で構成される籠状の骨格)の動きが制限され、呼吸が浅くなります。 呼吸が浅くなると、酸素の摂取量が減り、身体の疲労回復が遅れます。 さらに、交感神経の活動が促進され、悪循環に陥る可能性があります。
交感神経優位による肩甲骨周囲の筋肉への影響
肩甲骨周囲の筋肉は、腕の動きや姿勢の維持に重要な役割を果たしています。交感神経優位になると、これらの筋肉が緊張し、硬くなることで、以下のような影響が現れます。
- 肩甲骨の可動域制限: 肩甲骨の動きが悪くなり、腕を上げにくくなったり、肩を回しにくくなったりします。
- 肩こり: 筋肉の緊張が持続することで、肩こりや首こりを引き起こします。
- 頭痛: 肩や首の筋肉の緊張は、頭痛を引き起こすこともあります。
- 呼吸が浅くなる: 巻肩になると、胸郭の動きが制限され、呼吸が浅くなります。
巻肩の改善方法
巻肩を改善するためには、交感神経のバランスを整え、身体の緊張を和らげることが重要です。
- ストレスを軽減する: リラックスできる時間を取り、ストレスを解消しましょう。 ヨガ、瞑想、アロマテラピーなどが効果的です。
- 姿勢を改善する: デスクワークなど、長時間同じ姿勢でいる場合は、こまめに休憩を取り、姿勢を正すように心がけましょう。
- ストレッチ: 肩甲骨周囲の筋肉や胸の筋肉をストレッチでほぐしましょう。
- 筋力トレーニング: 肩甲骨を内側に寄せる筋肉(菱形筋など)を鍛えましょう。
まとめ
恐怖やストレスによる交感神経の優位性は、肩甲骨周囲の筋肉の緊張を引き起こし、巻肩につながる可能性があります。巻肩は、肩こりや頭痛、呼吸の浅さなど、様々な不調の原因となる可能性があります。
日頃からストレスを解消し、正しい姿勢を意識することで、巻肩の予防に努めましょう。
体作り・体使い・姿勢の達人の店ボディケアグリーンズ 森田