スウェイバック姿勢

スウェイバック姿勢は、骨盤が後傾し、上半身が前方に移動した姿勢の一つで、日本人の約80%がこの姿勢をとっていると言われています。この姿勢を解剖学的、運動生理学的に詳しく説明します。

1. 解剖学的特徴

骨盤の位置

  • 後傾: 骨盤が後方に傾くことで、仙骨が後ろに引かれ、腰椎の前弯が減少します。このため、骨盤の位置が低くなり、腰部のアライメントが変わります。

脊柱の変化

  • 腰椎のアライメント: スウェイバック姿勢では、腰椎の前弯が減少し、場合によっては平坦化することがあります。これにより、背中の筋肉に過度な負担がかかり、痛みや不快感を引き起こすことがあります。

筋肉のバランス

  • 筋肉の緊張: 背中の筋肉(特に脊柱起立筋)が緊張し、腹筋は弱化する傾向があります。また、大臀筋やハムストリングスも短縮しやすく、これが姿勢を維持するための補助に働きます。

2. 運動生理学的影響

動作の効率

  • 運動パフォーマンスへの影響: スウェイバック姿勢では、重心が前方に移動するため、立位や歩行時のバランスが崩れやすくなります。これにより、運動の効率が低下し、疲労感が増すことがあります。

筋肉の働き

  • 筋肉の役割: 骨盤後傾により、腹筋群は十分に働かず、体幹の安定性が損なわれます。このため、他の筋肉(特に背中や脚の筋肉)が過剰に働くことになり、筋疲労や痛みを引き起こす原因となります。

関節への影響

  • 関節の負担: スウェイバック姿勢では、膝や足首にも影響が及びます。骨盤の後傾により、下肢のアライメントが変わることで、関節に不均等な負荷がかかり、怪我のリスクが高まります。

3. まとめ

スウェイバック姿勢は、骨盤の後傾と上半身の前方移動により、解剖学的にも運動生理学的にも多くの問題を引き起こします。筋肉のバランスや関節への負担が変化し、運動効率が低下するため、姿勢の改善が重要です。正しい姿勢を維持するためには、体幹の筋力強化や柔軟性の向上が必要です。

姿勢のことならボディケアグリーンズ 森田

コメントを残す

Related Post

整体とはなんぞや? ロボットと野生整体とはなんぞや? ロボットと野生

体を整えると書いて整体。 感覚的に言えば 確かにアライメント(筋/骨格の配列)の調整するときは 体が綺麗に整っていく感覚はありますし 逆に綺麗に整った感覚がなければ たとえ症状が改善されていたとしても 自分としては納得い […]

腰痛防止に筋力強化は必要か?その2腰痛防止に筋力強化は必要か?その2

腰痛防止に筋力強化は必要か? 腰(腰椎)というのは 背中(胸椎)と違い肋骨が付いていません。 だから肋骨と骨盤の間にある様々な筋肉と 呼吸による腹圧によって 支えて上げないといけないのです。 それができないと腰椎に直接負 […]

大胸筋(整体師の解剖学・生理学)大胸筋(整体師の解剖学・生理学)

大胸筋は上腕の付着部でねじれています。 なんでかといえば、、、、 腕を伸ばすとねじれが取れて 大胸筋の力が最大限発揮できる状態になっているからです。 一日中 腕をあげることがないと大胸筋は縮んでしまいます。 大胸筋が縮む […]

老化は背中から:その1脊柱起立筋群老化は背中から:その1脊柱起立筋群

脊柱起立筋群の鍛え方:初心者、中級者、上級者向け 初心者:まずは基礎を固めよう! 初心者の方には、まず背中の筋肉を意識することが大切です。簡単なエクササイズから始めましょう。 中級者:少しずつ負荷を上げてみよう! 中級者 […]

ストレッチだけでは筋肉がつかない理由ストレッチだけでは筋肉がつかない理由

毎日お客様のお話を聞いていると、特に女性はストレッチが好きな方ってほんと多いなあと感じてます。ただ、残念ながらストレッチだけでは美しい体を維持するために必要な筋肉の成長や、動作の質を向上させる神経系の発達は難しい。その理 […]

運動はすればするほど良い? 「健康を損なう落とし穴」運動はすればするほど良い? 「健康を損なう落とし穴」

こんにちは、ボディケアグリーンズです。 「健康のために運動しましょう!」このフレーズ、耳にタコができるほど聞いていらっしゃるかもしれませんね。実際、多くの方が健康維持やダイエットのために、積極的に体を動かす習慣を持ってい […]