昨日はこの時以来に

父に会いに行った。

同じ施設に入居されてるみなさんが

眠りにつく頃

ムクッと起きだし

徘徊しては

いろんなものを漁ったり

声を出したりするので

困ってる

そのために眠剤を飲まされてることも

聞いていた。

 

母と二人で

施設にお邪魔すると

広い広い

でもなんとなく薄暗い印象の

リビングダイニングに

20〜30名の方々が

各々

テレビを観たり

お話ししたり

トランプしたり

編み物、縫い物したり

本を読んだり

お茶を飲んだりして

ゆったりとくつろがれている。

 

いるかな?

お友達できたかな?

彼女できたかな?

キョロキョロあたりを見回すが

いない。

 

病院でもらってきた

お薬を

スタッフの方に渡すと

部屋で寝てます

とのこと。

 

現在朝10時、

朝食食べ終わったら

すぐ寝たのね。

 

部屋に入ると

四人の相部屋に

一人だけ

眠るように死んでいた。

 

間違えた

 

死んだように

眠ってる。

かろうじて

生きてはいるようだ。

 

ここで母が

怒涛の起きなさい攻撃を開始

 

「お父さん、はい起きて!」

「ケンジロウ(私)きてるんだから、早く起きて!」

「今起きないと また夜眠れなくなるんだから!」

繰り返し繰り返し

ひたすら大声で起こしにかかるが

敵もさるもの

うっすら目を開けたり

なにやらむにゃむにゃ言ったりするが

一向に起きる気配がない。

 

あまりの生気のなさに

普段ご飯食べてるのか疑問に思うが

スタッフの方に聞くと

しっかり毎食残さず食べてる

食欲は極めて旺盛

とのこと。

 

いくら声をかけても

食いしん坊は起きないので

電動ベッドのスイッチを入れて

上半身を無理やり起こしてみる

 

生気のないお顔こんにちは

 

上半身だけ

ぐい〜んって起きあがっても

それでも頑なに眠ってる。

 

もはや

貝だ

ぴったりと殻が閉じられて

暗い海の底に沈んでいる

我々の声など届くはずもない。

 

うちの娘は

キノコと貝が大嫌いで

夕食に少しでも混じってると

私の皿に放り込む

そんなことを思い出した。

 

結局1時間近く粘ったが

状況変わらず

完敗です。

 

一応

「夜遅くまで起きてるのよくないよ。不良だよ。お父さんとお母さんに叱られるよ。」

と最後に伝えて帰った。

お父さんとお母さんに叱られる夢みるといいな

と思った。

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帰りに通った海辺がすっかり夏だった。

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