皆さん、こんにちは。新潟市で22年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。
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「最近、どうも脳が疲れて集中できない」「眠気が取れないのは、脳の使いすぎではないか」—現代社会で、私たちは自分の「脳の疲労」という概念に囚われすぎています。
しかし、最新の脳科学の知見は、この常識を根底から覆します。それは、「脳は基本的に疲労しない(不夜脳である)」という驚くべき事実です。
では、私たちが感じる強烈な眠気や疲労感の発生源はどこにあるのか。そして、この真実が、私たちの健康とパフォーマンス向上にどのような影響を与えるのかを、深く掘り下げて考察します。
1. 脳は休まない:DMN(デフォルトモードネットワーク)が消費するエネルギーの真実
私たちが感じる「脳の疲労」は、多くの場合、肉体の疲労から来る代償シグナルです。
🚨 集中力とエネルギー消費の誤解
- オンタスクの消費: 集中して仕事をするなどのタスクを行っている時(オンタスク)に脳が消費するエネルギーは、脳全体のエネルギー代謝のうちたったの5%程度です。激しいタスクを行っても、代謝が急激に増えることはほとんどありません。
- DMNの巨大な消費: 脳が摂取エネルギー(体全体の20%)の大部分(8割から9割)を消費しているのは、デフォルトモードネットワーク(DMN)が活動している時、つまり、ぼーっとしている時や寝ている時です。DMNは、脳が自発的に電気活動を起こしたがる性質を統治し、余計なシグナルを抑えるためにエネルギーを使っていると考えられています。
脳自体は「不夜脳」であり、むしろ24時間営業し続けています。私たちが「疲れた」と感じるのは、このDMNの活動が、肉体の疲労によって乱されているからなのです。
🧠 脳は体の「保育士」である
眠い、だるいと感じられるうちは、脳はまだバリバリ働いている証拠です。体が疲れているときや病気のとき(例:熱が出ているとき)、脳は体を休ませるために眠気を発しています。これは、脳が体を休ませたり直したりするために必死に働いており、他のことに集中させないようにするシグナルです。
つまり、眠気は「脳がもう動かない」というサインではなく、「脳が体を休ませるために働いている」という、あなたの体を守るための「保育士」が働いている証拠だと解釈できるのです。
2. 睡眠不足がメンタルと集中力を破壊するメカニズム
睡眠は主に体を休ませるためのものですが、睡眠不足が最も脳に近い部位で深刻な影響を及ぼすのはメンタル(精神状態)です。
🚨 ドーパミン不足とネガティブ化
- 睡眠不足は明らかにメンタルを低下させ、ネガティブになります。これは、レム睡眠中に脳内で増えるドーパミン(意欲、報酬に関わる脳内物質)が、レム睡眠が減ることで不足した状態になるためです。ドーパミンが不足すると、意欲が湧かず、物事を悲観的に捉えやすくなります。
- 集中力の低下: 体が休まっていない状態では、脳が体を直すことにエネルギーを使っているため、他のことに集中できない状態になります。十分な睡眠をとると集中力が上がると言われるのは、体が休まることで、脳が他のタスクにエネルギーを使えるようになるからです。
⚠️ ブドウ糖の誤解とドーパミンの放出
「脳が疲れたらブドウ糖を取りましょう」という考えは完全な間違いです。激しいタスクをこなしても脳のグルコース消費量はわずかしか変動しないため、グルコースが不足することはありません。ブドウ糖摂取後に感じる「脳の疲労回復」は、ドーパミンの放出による一時的な気分高揚であり、脳が直接回復したわけではありません。これは薬物やプラシーボ効果の一つとして捉えることができます。
3. 脳の耐久力を上げる「多様性」と「体力の土台」
脳は特定の部位に負担がかかりすぎると、全身が疲れているかのように感じる現象が起こります。疲労を軽減し、脳の寿命を延ばすためには、以下の戦略が必要です。
① 脳の広域利用と予備能力の強化
- 新しい経験: 新しい経験を積むことは、脳の耐久力(予備能力)を高める上で非常に重要です。これまで使っていなかった脳の領域(眠っていた領域)が目覚めることで、予備能力が生まれます。脳の領域をたくさん使える人は、障害に強い(病気になった時の回復が早い)傾向があります。
- バランスの取れた使い方: 特定の部位に偏った使い方を避けることが有効です。例えば、言語野を使う仕事をしている時に、音楽野(メロディ処理をする右側の側頭葉)を使う音楽を聴くことで、脳全体のバランスが取れる可能性があります。
② 体の回復と睡眠不足時の対処法
- 体の疲労解消: 脳の疲労は体のSOSです。疲労を蓄積させないために、運動習慣を持ち、体を鍛えること(体力づくり)が重要です。
- 睡眠不足時の対処: 短期的に睡眠不足で集中力を要するクリエイティブな仕事ができても、それは「体が悲鳴を上げているのを無視して脳がやっている」前借りである可能性があり、長期的にはお勧めできません。寝られない時は、目を閉じて横になり、体を休めることに集中しましょう。脳の老廃物は首の静脈に流れるため、解剖学的に右側を下にして横になることが良いという説もあります。
4. 整体師森田からのメッセージ
脳自体は基本的に疲労することなく24時間活動を続けていますが、体が疲れると、脳はそれを察知して眠気やだるさというシグナルを出し、肉体を休ませようとします。
パフォーマンスを維持し、脳の寿命を延ばすための究極の処方箋は、体を鍛えること、そして新しい経験を通じて脳の多様な領域をバランス良く使うことです。
私たちは、整体で体の歪みを整え、自律神経を安定させることで、脳の「保育士」が安心して体を休ませられる環境を作ります。
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整体師 森田 ボディケアグリーンズ 代表