皆さん、こんにちは。新潟市で21年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。
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「朝起きると首が痛い」「慢性的な肩こりに悩まされている」「健康診断でストレートネックと診断された」—現代社会において、この首の不調は国民病と言っても過言ではありません。
多くの方が、この「ストレートネック」という言葉のイメージに囚われすぎています。つまり、「首の骨が真っ直ぐになっていること」が問題であり、「カーブを作れば治る」と短絡的に考えてしまいがちです。
結果として、市場には「ストレートネック対応」を謳う高機能な首枕や、首のストレッチグッズが溢れています。しかし、私の長年の臨床経験と、運動解剖学の知見から断言します。
その対症療法は、根本的な解決に至らないどころか、問題の長期化を招く危険性さえあります。
真に首の不調を解決し、美しい姿勢と快適な体を取り戻すためには、首そのものを見るのではなく、首の下、そして首の上にある「土台」と「ジョイント」にこそ、目を向ける必要があります。
今日は、ストレートネックの常識を覆し、その真の犯人について深く掘り下げていきます。
1. ストレートネックの真実:「ストレート」は結果に過ぎない
まず、私たちが認識すべきは、ストレートネックの問題は*「頸椎のカーブが失われていること」自体よりも、「頭部が体に対して前方に突出していること」にあるということです。
人間の頭部の重さは、体重の約10%、おおよそボーリングの玉と同じくらいあります。正常な頚椎(首の骨)のS字カーブは、この重い頭部を効率よく支え、衝撃を吸収するための「バネ」として機能します。
しかし、姿勢が悪化し、頭部が体幹よりも前に傾くと、首の筋肉は常に過剰な緊張を強いられ、頭部を支えるために無理やり収縮し続けます。これが、慢性的な肩こりや首の痛みの直接的な原因です。
そして、この「頭部が前に出る」という現象を引き起こしている、真の犯人は、首の下と上に潜んでいます。
2. 首の土台を破壊する「二大犯人」
犯人A:胸椎のロック(背中の固着)
首のアライメント(配列)は、脊柱全体の影響を、特に胸椎(胸の背骨)から強く受けます。
デスクワークやスマートフォンの使用が増えた現代において、多くの方が胸椎が屈曲位(猫背のように丸まった状態)で固まってしまっているケースが見られます。
この胸椎の固着は、まるで土台となる家屋の基礎が傾いている状態と同じです。土台(胸椎)が前に丸まって動かないと、その上にある首は、視線を水平に保とうとする代償動作として、根本から前に押し出され、前方に傾いてしまうのです。
この状態では、頸椎そのものをいくら調整しようとしても、胸椎という土台がロックされているため、首は再び前に引っ張られてしまいます。この胸椎の柔軟性の低下が、ストレートネックの最大の根本原因であると断言できます。
犯人B:頭頸椎ジョイントの機能不全(顎の上がり)
もう一つの重要な犯人は、頭部と頸椎の一番上にある「頭頸椎ジョイント」の機能不全です。
- 猫背で胸椎がロックされると、顔を上げようとして顎が不自然に上がり(顎関節の過度な伸展)、頭部が後方に倒れ込みながら前に突き出すという、複雑な連動の異常が発生します。
- この状態では、頭部の重さを効率よく支えるべき首のインナーマッスルが機能せず、常にアウターマッスルが緊張し続けます。
ストレートネックの改善において、この「頭部と頸椎のジョイント」の動きを正確に回復させることは、首全体をリラックスさせるために不可欠な要素です。
3. なぜ「首枕」は意味がないのか?対症療法の限界
「ストレートネックは枕で治せる」という風潮がありますが、前述のメカニズムを理解すれば、その限界は明らかです。
問題の根源が「胸椎のロック」と「頭部の位置異常」にあるにもかかわらず、首枕で無理やり頸椎の中央にカーブを作ろうとしても、それは何の意味もありません。
首枕は、硬くなった筋肉に一時的なリラックス効果をもたらす可能性はありますが、根本的な原因である胸椎や顎の動きを変えることはできません。それどころか、異常な状態に合わせた枕を使い続けることは、眠っている間もその歪んだ状態を脳と体に「定着させてしまう」ことになり、かえって腰や肩、他の部位に新たな問題を引き起こすリスクを高めてしまうのです。
4. 整体師が目指す「真の改善」へのロードマップ
本当に首の不調を解決するには、首ではなく、全身の連動性からアプローチすることが最も大切です。
最優先事項は「土台の解放」
私たちが施術で最優先するのは、以下の2点です。
- 胸椎の柔軟性回復: 固まってしまった胸椎を丁寧に解放し、正しい伸展(胸を張る動き)と回旋(ひねる動き)ができるようにします。これにより、首への前方への押し出しを根本から解消します。
- 頭頸椎ジョイントの調律: 頭部と頸椎の連動性を回復させ、力まずに頭の重さを支えられるように調整します。
この土台とジョイントの動きが変わって初めて、頚椎のカーブは無理なく、自然な形を取り戻し、ストレートネックの症状は根本から改善へと向かいます。
もしあなたが、長年の首の痛みに悩んでいる、または高価な枕を試しても効果を感じられずにいるなら、ぜひ一度、ボディケアグリーンズにご相談ください。あなたの体の歪みの「真の犯人」を特定し、根本的な改善へと導きます。
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整体師 森田 ボディケアグリーンズ 代表