皆さん、こんにちは! 新潟市で21年間、ボディケアグリーンズという整体サロン&パーソナルトレーニングジムを経営している整体師の森田です。
「なんだか腕が後ろに回しにくい…」 「背中に手が届かない…」 「服を着る時に肩が痛む…」
こんなお悩み、ありませんか? 多くの方が、肩の痛みや動きの悪さを「肩甲骨の硬さ」や「巻き肩」のせいだと考えがちです。もちろんそれも一因ではありますが、実は、見落とされがちな「肩関節伸展(けんかんせつしんてん)」の制限が、様々な体の不調を引き起こしている可能性があるんです。
「肩関節伸展って何?」
そう思われた方もいるかもしれませんね。これは、腕を体の横から後ろに引く動きのことです。例えば、歩く時の腕振りや、背中のポケットに手を入れる動作、水泳のプル動作などで使われます。
今日は、この「肩関節伸展ができない」ことが、あなたの体にどんな問題を引き起こすのか、そしてなぜ肩甲骨の動きよりもこの伸展が優先されるべきなのか、さらにその改善策まで、詳しくお話ししたいと思います。
「腕を後ろに引けない」が引き起こす、体のSOS
肩関節伸展の可動域が制限されると、日常生活に大きな支障が出るだけでなく、様々な体の不調に繋がります。
- 姿勢の悪化: 腕を後ろに引けないと、体は無意識にその動きを補おうとします。結果、肩が前に丸まり(巻き肩)、背中が丸まり(猫背)、頭が前に突き出る(ストレートネック)といった姿勢の歪みに繋がります。これは、見た目が悪くなるだけでなく、首や肩、背中への負担を増大させます。
- 慢性的な痛み: 姿勢の歪みは、首こり、肩こり、背中の張り、さらには腰痛の原因にもなります。肩関節伸展の制限によって、本来使われるべき筋肉がサボり、他の筋肉が過剰に働くことで、慢性的な痛みが引き起こされるのです。
- 日常生活動作の制限: 洋服の着脱、髪を洗う、高い棚のものを取る、背中をかく、といった日常の何気ない動作が困難になり、生活の質(QOL)が低下します。
- スポーツパフォーマンスの低下: 水泳、野球の投球、テニス、ゴルフ、ランニングなど、腕を大きく使うスポーツでは、肩関節伸展の可動域がパフォーマンスに直結します。制限があると、効率的な動きができず、怪我のリスクも高まります。
なぜ「肩甲骨」よりも「肩関節伸展」が優先されるべきなのか?
「肩こりには肩甲骨はがしがいいって聞いたけど?」 そう思われるかもしれません。もちろん、肩甲骨の動きは非常に大切です。しかし、私がお伝えしたいのは、肩甲骨の動きを改善する前に、まず「肩関節そのものの伸展可動域」を確保することが、より根本的な解決に繋がるということです。
肩関節は、上腕骨(腕の骨)と肩甲骨で構成される、非常に複雑な関節です。肩関節伸展は、この上腕骨が肩甲骨に対してどれだけ後ろに動かせるか、という肩関節(上腕骨と肩甲骨の関節)自体の基本的な動きです。
もし、この肩関節の伸展が制限されていると、体はなんとか腕を後ろに引こうとして、肩甲骨を無理に動かしたり、胸椎(背骨の胸の部分)を過度に反らせたりする「代償動作」を起こします。
例えるなら、車のエンジン(肩関節)がうまく動かないのに、ハンドル(肩甲骨)だけを無理に操作しようとしているようなものです。エンジンが本来の性能を発揮できなければ、いくらハンドルを操作しても、車はスムーズに動きません。
実際、私のお客様の中にも、肩関節の動きが悪いのを補う形で、肩甲骨ばかりを意識して動かしてしまい、結果的に肩甲骨周りの筋肉が過剰に伸ばされ、ガチガチに固まってしまっている方が時々見られます。
あるいは、巻き肩を改善しようと、一生懸命肩甲骨を内側に寄せることばかり意識していた結果、菱形筋(りょうけいきん:肩甲骨と背骨の間にある筋肉)が異常に張ってしまっていたお客様もいらっしゃいました。これは、肩関節の根本的な問題に目を向けず、肩甲骨だけで全てを解決しようとした代償なのです。
最新の運動学では、肩甲骨の動き(肩甲骨リズム)は、肩関節の動きと密接に連動していることが強調されています。まず肩関節の基本的な可動域、特に伸展を確保することで、肩甲骨は本来あるべき位置で安定し、より効率的で自然な動きができるようになるのです。
「腕を後ろに引く」ためのカギ!主要な筋肉とその鍛え方
肩関節伸展の主な働きを担う筋肉は、以下の通りです。
- 広背筋(こうはいきん): 背中を広く覆う大きな筋肉で、腕を後ろに引く強力な主動筋です。
- 大円筋(だいえんきん): 広背筋のすぐ上にある筋肉で、広背筋と協力して腕を後ろに引く働きをします。
- 三角筋後部(さんかくきんこうぶ): 肩の筋肉の後ろ側で、腕を後ろに引くのを助けます。
- 上腕三頭筋長頭(じょうわんさんとうきんちょうとう): 二の腕の筋肉の一部で、腕を後ろに引く動作を助けます。
これらの筋肉が、適切に機能し、柔軟性を保っていることが、スムーズな肩関節伸展には不可欠です。
肩関節伸展を改善するためのアプローチ
- 制限している筋肉のリリースとストレッチ: 肩関節伸展を制限する主な原因は、胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)や肩の前側の筋肉(三角筋前部)の硬さです。これらの筋肉を丁寧にリリースし、ストレッチすることで、腕が後ろに引きやすくなります。
- 大胸筋ストレッチ: ドアの枠に腕をかけて体を前に倒すストレッチなどが有効です。
- 小胸筋ストレッチ: 壁に手のひらをつけて、体をひねるようにストレッチします。
- 肩関節伸展筋の強化:特に「細かい部位」を意識する! 広背筋や大円筋といった大きな筋肉だけでなく、三角筋後部や上腕三頭筋長頭といった、腕を後ろに引くのを助ける細かい部位の筋肉を鍛えることが、安定した伸展動作には非常に重要です。しかし、これらの筋肉は、その位置や構造上、意識しないと鍛えるのが難しいという特徴があります。例えば、三角筋後部は肩の後ろにあり、腕を後ろに引く際に意識的に収縮させないと、他の大きな筋肉が代償してしまいがちです。上腕三頭筋長頭も、その起始部(筋肉の始まりの部分)が肩甲骨に付着しているため、腕の動きだけでなく肩甲骨の安定性とも関連が深く、これもまた意識的なアプローチが求められます。だからこそ、これらの筋肉を鍛える際には、「今、どの筋肉を使っているか」を強く意識し、ゆっくりとコントロールされた動きで、その部位に負荷がかかっていることを感じながら行うことが非常に大切です。
- ローイング(ボート漕ぎ運動): マシンやチューブを使って、腕を後ろに引く動作を繰り返します。肘を体の近くに引き寄せ、特に背中の下部や肩甲骨の内側に効いていることを意識しましょう。
- ラットプルダウン: マシンを使って、バーを胸に引き下げる動作です。背中の広がりだけでなく、肩の後ろ側(三角筋後部)にも意識を向けて行います。
- ストレートアームプルダウン(ケーブルプルオーバー): ケーブルマシンやチューブを使い、腕を伸ばしたまま下方に引く動作です。広背筋にダイレクトに効かせつつ、上腕三頭筋長頭が伸び縮みしている感覚を意識してみましょう。
- リアデルトフライ(リバースフライ): マシンやダンベルを使って、肩の後ろ側をピンポイントで鍛える種目です。三角筋後部を意識して、肩甲骨を寄せすぎずに腕を横に開くように行います。
- 姿勢全体の改善: 巻き肩や猫背、ストレートネックといった姿勢の歪みは、肩関節伸展の制限と密接に関わっています。整体による全身のバランス調整や、正しい姿勢を意識した日常生活が不可欠です。
あなたの肩は、もっと自由に動ける!
「腕が後ろに引けない」という悩みは、単なる不便さだけでなく、体の歪みや痛みに繋がる重要なサインです。そして、その改善には、単に肩甲骨を動かすだけでなく、肩関節自体の伸展可動域を確保し、関連する筋肉のバランスを整えることが非常に重要ですし、特に細かい部位の筋肉を意識的に鍛えることが鍵となります。
もしあなたが、
- 腕を後ろに引く動作に制限を感じるなら
- 慢性的な肩こりや首の痛みに悩んでいるなら
- 姿勢の悪さが気になるなら
- スポーツパフォーマンスを向上させたいなら
ぜひ一度、ボディケアグリーンズにご相談ください。 私たちは、あなたの肩関節伸展の制限の根本原因を見つけ出し、一人ひとりに合った最適なアプローチで、あなたの体が本来持つ「自由な動き」を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。 あなたの健康と笑顔のために、全力でサポートさせていただきます。
整体師 森田 ボディケアグリーンズ 代表