仙腸関節の動きすぎに要注意!メカニズムと予防法を解説

仙腸関節は、骨盤を構成する仙骨と腸骨の間にある関節です。上半身と下半身をつなぐ重要な役割を担っており、強力な靭帯で支えられています。

仙腸関節の構造

わずか数ミリしか動かない関節ですが、このわずかな動きが歩行や体重移動時の衝撃吸収に役立っています。しかし、靭帯によって制限された可動域を超えて動きすぎてしまうと、仙腸関節に負担がかかり、痛みや痺れなどの症状を引き起こす可能性があります。

これを 仙腸関節障害 といい、次のような原因が考えられます。

1. 姿勢の悪さ

  • 猫背: 猫背になると、骨盤が後傾し、仙腸関節が過度に開いてしまうため、靭帯に負担がかかります。
  • 片足重心: いつも同じ足に体重をかけて立つ癖があると、骨盤が歪み、仙腸関節に偏った負荷がかかります。
  • 長時間のデスクワーク: デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けると、骨盤周りの筋肉が硬くなり、仙腸関節の動きが悪くなることで、負担がかかりやすくなります。

2. 日常動作

  • 重いものを持ち上げる: 重い荷物を持ち上げる際、特に中腰で持ち上げると、仙腸関節に大きな負担がかかります。
  • 足を組む: 足を組むと骨盤が歪み、仙腸関節にも影響が出ます。
  • 階段の昇り降り: 階段の上り下りでは、片足に体重がかかるため、仙腸関節に負担がかかりやすくなります。

3. 運動

  • 過度な運動: ランニングやジャンプなど、繰り返し衝撃が加わる運動は、仙腸関節に負担をかけます。
  • ストレッチ不足: 運動前のストレッチ不足は、筋肉や靭帯の柔軟性を低下させ、仙腸関節を痛めやすくなります。
  • フォームの悪さ: 運動時のフォームが悪いと、身体に余計な負担がかかり、仙腸関節にも影響します。

予防法

仙腸関節障害を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。

  • 正しい姿勢を意識する: 日頃から正しい姿勢を意識し、猫背や片足重心を避けるようにしましょう。
  • 適度な運動: ウォーキングやストレッチなど、適度な運動を心がけ、骨盤周りの筋肉を鍛えましょう。
  • ストレッチ: 運動前後のストレッチを忘れずに行い、筋肉や靭帯の柔軟性を保ちましょう。
  • 重いものを持ち上げるときは注意する: 重いものを持ち上げる際は、腰を落とさず、膝を曲げて持ち上げるようにしましょう。
  • 長時間の同じ姿勢を避ける: デスクワークなど、長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行いましょう。
  • 足を組む癖を直す: 足を組む癖がある場合は、意識して直すようにしましょう。
  • ハイヒールを履きすぎない: ハイヒールは、骨盤が前傾しやすく、仙腸関節に負担がかかりやすいため、長時間履くのは避けましょう。

仙腸関節は、身体のバランスを保つために重要な役割を担っています。日頃から姿勢や動作に気をつけ、仙腸関節に負担をかけないように心がけましょう。

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