整体だけでは限界がある

 

グリーンズオープン当初から

15年間

月に1〜2回

ずっと通っていただいている

F様

 

脳梗塞の後遺症で

右半身の感覚が鈍く

歩行時など

バランスよく動くことが難しい

そのため

一部の筋肉が緊張しやすく

骨格も歪みやすい

加えて

絵を描かれたり

縫い物

編み物

などの細かい作業を根詰めてされることが多いので

余計に肩や背中が凝りやすい

  

それでも

施術後には

筋肉の張りが取れ

傾いていた姿勢も綺麗になる

生き返った…

いつもF様はおっしゃってくれる

  

そんなF様に災難が…

 

長年住まれていたマンションの

上階に住む女性が

音がうるさい

と怒鳴り込んできたのだ

 

F様はテレビもつけず

絵を描いたり

手芸をされているので

ほとんど音なんか出していない

 

F様はただただ驚き

あまりの剣幕に恐怖を覚えた

 

上階女性のクレームは

日に日にエスカレートしていき

もはや我慢の限界に

 

思い切って

管理人や管理会社に相談するが

上階女性のいうことを信じてしまっている

 

いよいよF様は精神的に追い込まれていく

 

F様には二人の

それはそれは母親思いの

娘さんがいらっしゃって

 

見るに見かねた娘さんたちが

手配して

別のアパート借りて

F様を一旦避難させた

 

それが

今から1年半ほど前のこと

 

誰もいなくなった部屋への

上階女性からのクレームはいまだに続き

 

さすがに管理会社もモンスタークレイマーの正体に気づくが

肝心のクレームは一向に止む気配がない

要するに

音が聞こえる病気

 

なので唯一の解決法は

上階の女性の病気の治療なのである

  

そんな状態がいつまでも続き

どうも最近

F様の体の弱り方が顕著になってきてる

  

激しい腰痛に襲われての来店となった

今日

いつものように

体をみさせていただくが

お腹と腰回り

そこからお尻にかけて

上半身を支えられないほど弱体化しているのを感じた

 

内臓と筋肉(軟部組織)と骨格

一通りの調整はするものの

自分の体を支えられない状態はそのまま

 

これはもう整体だけでは限界である

 

あらゆる筋肉が弱体化しているのだが

無意識に腰を反らしてしまう

F様の状態を考え

もっとも優先順位が高いと思われる

大腰筋のトレーニングを始めることにする

臀筋や背筋も

そりゃ鍛えたいところではあるが

残念ながら

まだトレーニング始めるには早い

 

大腰筋は腿上げするときに使われる筋肉なので

ベッドに腰掛けた状態での腿(膝)あげ

この簡単な動作が

最初全くできなかったのだが

脳梗塞後のリハビリを思い出してもらい

しつこくしつこく繰り返すと

だんだん腿上げ動作がスムーズになってくる

 

筋肉の中の

無数の筋繊維一本一本が

長い眠りから醒めるように

少しづつ伸縮をはじめる

 

今度は

立った状態で何かにつかまりながらの腿(膝)あげ

 

なんどもやれば疲れてしまうし

筋肉痛にもなるかもしれないけど

動いた後の疲労や筋肉痛は

まず間違いなく

良い兆候

ととらえていい

  

逆に

全く動かないのに痛い

これが最悪なのである

 

次回来店までに

大腰筋トレーニングを

自宅で続けてもらって

次はまた状況次第で

新たなトレーニングを指導しようと思います

75歳だからって

体が弱るのは当たり前

ととらえずに

これからまだまだ状態をあげていける

それを本人に信じさせ

自信を持ってもらう

それも

私たちの重要な役割だと思っております。

被災の長野市からM様がきてくれたbodycare GREENS モリタ